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聖パウロの​振舞い​も​賞賛に​値します。​キリストの​教えを​広める​努力を​したので​囚われの​身と​なりましたが、​福音を​伝える​ためには​どのような​機会も​無駄にしません。​フェストゥスと​アグリッパの​前で​堂々と​宣言します。​「私は​神からの​助けを​今日まで​いただいて、​固く​立ち、​小さな​者にも​大きな​者にも​証しを​してきましたが、​預言者たちや​モーセが​必ず​起こると​語った​こと​以外には、​何一つ​述べていません。​つまり​私は、​メシアが​苦しみを​受け、​また、​死者の​中から​最初に​復活して、​民にも​異邦人にも​光を​語り告げる​ことに​なると​述べたのです」38。

​ 使徒は​沈黙せず、​信仰を​隠しません。​迫害者たちの​憎悪を​招いたのは​自らの​宣教であったにも​かかわらず、​な​おも​止めずに​すべての​民の​救いを​告げ知らせます。​そして、​驚く​ほど​大胆に​アグリッパに​対面します。​「アグリッパ王よ、​預言者たちを​信じておられますか。​信じておられる​ことと​思います」39。​「アグリッパは​パウロに​言った。​『短い​時間で​わたしを​説き伏せて、​キリスト信者に​してしまうつもりか』。​パウロは​言った。​『短い​時間であろうと​長い​時間であろうと、​王ばかりでなく、​今日この​話を​聞いてくださる​すべての​方が、​私のようになってくださる​ことを​神に​祈ります。​このように​鎖に​つながれる​ことは​別ですが』」40。

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