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 自らを​十字架に​掛ける​こと。​この​望みが​新たな​光と​なって、​あの​人の​知性と​心、​唇に​幾度と​なく​上(の​ぼ)ってきた。

​ 自らを​十字架に​掛けるって、​なんと​辛い​ことだろう。​彼は​そう​独り言を​言った。​〈自らに​逆らう​〉、​つまり​自己を​否定するのが​自分の​道である​ことを​知った​上の​言葉だった。​だから​彼は​「主よ、​お助けください」と​願っていたのである。

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