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聖なる全教会の関心事と責任
こういう理由から、私の子たちよ、聖なる全教会の関心事と責任(sollicitudo totius Sanctae Ecclesiae Dei)は、私たちのものであるということができます。教皇と教区司教の公的な(法的な、de jure divino)責任を支持しながら、私たちは法的ではない、霊的で修徳的な、愛から来る責任を持って、全教会に仕えます。これは職業的な性格を持つ市民としての奉仕で、キリスト者としての模範の証しを生きながら、市民社会の隅々まで、主の教えを伝えようとするものです。
教会の一致に困難が生じた時、修道会などの全世界的な組織が決定的に重要な役割を果たしたことは、歴史が示しています。私たちは、修道者とは全く異なる召し出しを持つ、全世界的な組織です。また、いわゆる「使徒職的運動」(apostolic movements)と呼ばれている活動との違いを明確にする34、全世界的な内的位階制を持っています。このことは、私たちを教会と教皇に仕える、結束力の強い、効果的な道具にします。
実際には、社会的・使徒職的観点から見ると、諸々の運動との相違は僅かである。聖ホセマリアがここで指摘する相違は、オプス・デイの司牧現象と交わり、そしてその内部の位階制が全世界的であるという点にある。しかしこの指摘は、世界における聖性・福音宣教・教会への奉仕・交わりと兄弟愛のおける絆という熱意を同じく共有する人々と距離を取ることを意味するものではない。(編者注)
…から印刷された文書 https://escriva.org/ja/carta-29/15/ (2025/11/25)