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私の​子たちよ、​「敵からの​助言」​51です。​賢く、​思慮深く​あるように。​眠りに​陥らないでください。​Hora est iam nos de somno surgere​「怠惰を​振り捨て、​眠りから​覚めるべき時です」52。​かつて​教会が​栄えていた​地方が、​今は、​キリストの​名さえ​聞く​ことができない​荒れ野に​なっている​ことを​忘れないでください。​このような​状況を、​「歪んだ​行間にも​真っ直ぐな​字を​書くのも​神の​ご計画の​うちであり、​そして​最後には​神が​勝利するのだ」と​考え、​その​失敗を​正当化しようとするのは、​安易な​態度です。​キリストは​常に​勝利者である​ことは​事実です。​しかし、​多くの​場合、​私たちの​過ちにも​関わらず、です。

​好戦的・​攻撃的にならずに、​in hoc pulcherrimo caritatis bello、​この​愛徳の​美しい​戦いに​おいて、​思いやりの​心で​皆を​歓迎し、​(イエス・キリストを​知らない​人や​愛していない​人が​掲げる​間違いに​与する​ことなく)​すべての​善意の​人たちと​協力します。​同時に、​主が​こう仰せに​なった​ことを​忘れないでください。​「わたしが​来たのは​地上に​平和を​もたら​すためだと​思ってはならない。​平和ではなく、​剣を​もたら​すために​来たのだ」​53。​人は​容易に​イエスの​柔和のみに​注目し、​〈生活を​複雑に​する​〉よう​駆り​立てる神の​言葉を​避けようとします。​その​言葉は、​安楽志向や​順応主義の​邪魔に​なるからです。

備考
51

​「敵からの​助言」​:スペインの​俗諺で、​敵に​対しては​賢慮深く​あるようにと​いう​意味。​特に​敵が​私たちの​善を​探しているかのように​振る​舞う​時の​ことを​指す。​この​場合、​聖ホセマリアは​マルクス主義に​不信感を​抱く​よう​私たちに​勧める。​興味深いことに、​エスクリバー師は​この​手紙の​35番で​再度この​諺を​使い、​「ときに​敵の​言葉は、​有用な​真理を​教えてくれる」と​いう​別の​意味を​持たせている。​(編者注)

52

ローマ 13・11。

53

マタイ 10・34。

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