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ときに、このような中傷を行う人々は公的なグループに属しており、国民の意志に反して、集めた税金を分配しています。それと同時に、彼らは私たちが息をすることができないようにしようとしています。福祉事業、教育事業、文化事業、キリスト教広報事業を維持しそれを発展させるため、貧しい生き方をする私たちに、仕事をする権利も献身する権利も与えられないようにしようとしています。彼らは自由の敵(もちろん、彼ら以外の人々の自由の敵)であり、市民の間で差別を行おうとしています。
例えば宗教、芸術、スポーツ、文化など、どのような種類の団体であれ、目的遂行のための手段を支えるために資金を持ち、それを動かす必要があります。この点で躓く人がいるならば、その人は非常識であると言わざるを得ません。
宗教的な団体について話す時、 英国外国聖書協会(The British and Foreign Bible Society)あるいは銀行や保険会社などを有する救世軍(Salvation Army)の例がすぐに思い浮かびます82。このことで躓く人は誰一人いません。宣教や慈善活動のためにそれらの手段が必要なのです。多くの国で、これらの宗教的な団体の経済的な活動は批判されないだけでなく、その社会的な仕事ゆえ税も免除されています。
公的機関が私たちに融資をしたり、さらには補助金や助成金を与えることは正義に叶っています。そのような時、公的機関は自らの義務を果たしているにすぎません。というのは、私たちは、社会的な仕事によって、当局の義務の一部を負担しているからです。同じように、当局が他の文化事業や慈善事業をを援助する時も、正義に叶ったことを行っているにすぎません。
英国外国聖書協会は1804年に設立された。The Bible Societyとも呼ばれる。世界中に聖書を普及させることを目的とする聖書協会世界連盟(United Bible Societies)に加盟している。救世軍は1865年に設立されたプロテスタント運動、慈善団体。(編者注)
…から印刷された文書 https://escriva.org/ja/carta-29/50/ (2025/11/28)