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 ​その​日の​ミサの​書簡は​本当に​嬉しかった。​聖霊が​聖パウロを​通して​不滅と​栄光の​秘訣を​教えてくださるのである。​人間は​誰でも​永遠に​生きたいと​切に​望んでいる。

​ 自分が​幸せだと​思う​生活の​瞬間を​永遠に​したいと​望み、​自分に​ついての​思い出を​称えたいと​思っている。​私たちは​自分の​理想を​不滅に​したいと​望むのである。​だから、​見せかけの​幸せを​感じる​ときや​孤独を​慰めてくれる​ものが​ある​とき、​誰もが​自然に、​〈永遠に、​永遠に​〉と​言い、​また​そう​願うのである。

​ 悪魔の​なんと​賢い​ことか。​人間の​心を​知り尽くしている。​人祖に、​あなたたちは​神のようになる、と​言った。​実に​残酷な嘘であった。​聖パウロは​フィリピの​信徒への​手紙の​中で、​不滅と​栄光を​得る​ための​神的な​秘訣を​教えてくれる。​イエスは​僕の​身分に​なり、​自らを​無と​された。​へりくだって、​死に​至るまで、​それも​十字架の​死に​至るまで​従順であった。​この​ため、​神は​キリストを​高く​上げ、​あらゆる​名に​まさる​名を​お与えに​なった。​こうして、​天上の​もの、​地上の​もの、​地下の​ものが​すべて、​イエスの​御名に​跪(​ひざまず​)いた、と。

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