53

御父の​こと

​ ルカ福音書の​第二章は​今日の​黙想の​締めくくりに​最適と​思われます。​キリストの​少年​時代の​こと、​エルサレムからの​帰途の​出来事です。​親戚や​友人の​間を​捜しても​キリストの​姿は​見当たりません。​聖母と​ヨセフの​心痛は​いかばかりだったでしょう。​そして、​後に​なって、​イスラエルの​学者たちに​教えを​垂れる​イエスを​遠くから​認めた​ときの​二人の​喜び。​ところで、​母マリアの​質問に​対する​イエスの​厳しい​言葉に​注目しなければなりません。​「どうして​わたしを​捜したのですか」34。

​ 御子を​捜し回って​当然ではなかったのでしょうか。​キリストを​見失い、​また、​キリストに​巡り会うとは​どういう​ことかを​知っている​人なら、​この​意味が​分かるはずです。​「どうして​わたしを​捜したのですか。​わたしが​自分の​父の​家に​いるのは​―父の​ことに​従事するのは​―当たり前だと​いう​ことを、​知らなかったのですか」35。​天の​御父の​ために​私の​時間を​余す​ところなく​捧げるべきことを​知らなかったのですか。

聖書への参照
この点を別の言語で