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  あなたには、​上手く​噛み合わない​二つの​部分、​すなわち頭と​感情が​ある。

​ 信仰に​照らされた​知性は、​道を​示してくれるだけでなく、​その​道を​英雄的に​歩むか、​愚かな​歩み方を​するか、​この​両者の​間の​大きな​違いを​も教えてくれる。​特に、​三位一体の​神が​私たちの​手に​お任せに​なった​事業の、​神的な​偉大さと​美しさを​見せてくれる。

​ それに​引き替え、​感情は、​あなたが​軽蔑する​もの​すべて、​いま現に​軽蔑している​ものに​さえ執着する。​無数の​小さな​事柄が​機会を​狙っているようだ。​そして、​体の​疲れからか、​超自然的な​見方を​失った​ためか、​あなたの​意志が​弱まった​と​みる​や​否や、​それら​小さな​事柄が​押し寄せてきて、​あなたの​想像を​かきたて、​ついには、​山と​なってあなたを​苦しめ、​落胆させる。​仕事の​辛さ、​従順への​抵抗、​手段の​不足、​夢に​見る​楽な​生活、​大小さまざまな​忌むべき誘惑、​めそめそした​感情の​疼き、​疲れ、​霊的な​生温さが​もたら​す苦しみなど。​そして、​時には​恐れ、​すなわち、​聖人に​なれと​神が​お望みなのに​そうは​なっていない​ことから​来る​恐れも。

​ 厳しい​言い方だが​許して​ほしい。​あなたには​後戻りする​〈動機〉が​掃いて​捨てる​ほど​あるが、​神の​お与えに​なる​恩恵に​応える​大胆さが​不足している。​もう​一人の​キリスト、​〈同じ​キリスト〉と​なるよう召されていると​いうのに。​あなたは​使徒聖パウロに​対する​師の​訓戒を​忘れているのだ。​「あなたには​わたしの​恩恵で​足りる」。​これは、​望みさえ​すれば​あなたにも​できると​いう​ことの​確認である。

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