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知られたくない​ことを​最初に​話しなさい。​悪魔を​踏みつけるのです。​小さな​問題でも​何度も​考えている​うちに​雪だる​まのように​どんどん​大きくなり、​やがて​自分の​殻に​閉じこもってしまう。​どうして​そんな​ことを​するのですか。​心を​開きなさい。​正直誠実で​あれば、​あなたの​幸福を、つまり​信者と​しての​道を​忠実に​歩むことができると​保証します。​表裏のない​澄みきった​心、​これこそ​絶対に​欠かす​ことのできない​心構えです。​心を​思い切り開いて、​隅から​隅まで​神の​光と​暖かい​愛が​ゆきわたるようにしなければならないのです。

​ 百パーセント誠実である​ことを​止めるには、​必ずしも​悪い​意向が​必要であるとは​限りません。​時には​良心の​過ち​一つで​充分でしょう。​良心が​歪んでいるので、​誠実でない​態度や​沈黙が​正しいと​思い込んでいる​人が​いるのです。​この​種の​過ちは、​立派な​形成を​受け、​神に​関する​知識も​しっかりしていると​思われる​人にも​起こります。​よい​形成と​深い​知識が​あるが​ゆえに、​沈黙は​正しいと​判断するのでしょうが、​実は​欺かれているのです。​誠実さは​常に​必要で、​言い訳は、​たとえ当然であると​思える​ときにも、​認めるわけには​ゆきません。

​ そろそろこの​語らいの​ひと​ときを​終えなければなりません。​私たちは​主との​語り合いを​続けてきましたが、​ここで​貞潔と​いう​キリスト教的徳を​積極的に​生きる​ことのできる​恵みを​お願いしましよう。

​ 無原罪の​清さを​保つ聖マリアの​執り成しを​お願いしましょう。​美の​美である​聖母のもとに​駆け寄り、​謙遜になろう、​清い​生活を​送ろう、​誠実に​なり喜びに​溢れ、​物惜しみしない​生き方を​しようと、​日々​戦いながら心に​不安を​感じていた​人たちに、​昔、​私が​与えた​勧めを​繰り返したいと​思います。​「生涯の​あらゆる​罪がの​しかかってくるようだ。​しかし、​信頼を​失ってはならない。​むしろ反対に、​幼児のような​信仰と​依託の​心で、​聖母マリアを​お呼びしなさい。​聖母は​心に​安らぎを​与えてくださるだろう」27。

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