118

もしも、​皆さんが​自らの​主人と​して​振舞いたいと​望むなら、​心配や​恐れなしに、​すべての​ものから​離脱する​強い​望みを​もってください。​その​あとで、​様々な​個人あるいは​家族の​義務に​留意し、​それを​果た​すために​正当な​手段を​正しく​使ってください。​おそらく​それと​同時に、​神と​教会への​奉仕、​専門職、​祖国、​全人​類に​対する​奉仕と​いう​面を​考えてくださる​よう​お願いします。​実際に​<持つ>か​<持たない​>かは、​問題では​ありません。​大切な​ことは、​この​世界の​ものは​あくまでも​手段に​過ぎないと​いう​信仰の​真理に​則して​生きる​ことです。​それゆえ、​この​世の​ものを​目的と​して、​最も​大切な​ものであると​考えては​なりません。​「地上に​富を​積んではならない。​そこでは、​虫が​食ったり、​さび​付いたりするし、​また、​盗人が​忍び込んで​盗み出したりする。​富は、​天に​積みなさい。​そこでは、​虫が​食う​ことも、​さび​付く​こともなく、​また、​盗人が​忍び込むことも​盗み出すこともない。​あなたの富の​ある​ところに、​あなたの心も​ある」19。

​ 本当に​悲劇的な​場面を​いくつも​見てきました。​幸せを​この​世の​ものの​中に​のみ​求めると、​往々に​して​使い方を​誤り、​創造主が​巧みに​お定めに​なった​秩序を​破壊してしまいます。​すると、​心は​悲しみと​不満に​閉ざされ、​おそらくは、​数限りない​努力と​自己放棄の​末に​手に​入れた​富の​犠牲と​なって、​不平不満だらけの​毎日を​送るは​めに​陥ってしまうでしょう。​主は、​無秩序で​粗野な​人、​虚しい​愛に​溺れた​者の​心には、​お住まいに​ならない​ことを​決して​忘れないでください。​「だれも、​二人の​主人に​仕える​ことは​できない。​一方を​憎んで​他方を​愛するか、​一方に​親しんで​他方を​軽んじるか、​どちらかである。​あなたがたは、​神と​富とに​仕える​ことは​できない」20。​「それゆえ、​幸せを​与える​愛に​しっかりと​心を​つなぎとめ、​天の​宝を​望もう」21。

この点を別の言語で