186

不正を​働く​人た​ちが​大勢いると​言うのですか。​その​通りだと​思います。​けれども、​主は​繰り返して​仰せに​なります。​「求めよ。​わたしは​国々を​お前の​嗣業とし、​地の​果てまで、​お前の​領土と​する。​お前は​鉄の杖で​彼らを​打ち、​陶工が​器を​砕くように​砕く」52。​厳しい​約束です。​しかし、​これは​神の​約束ですから、​知らない​顔を​する​ことなどできません。​キリストは​無為に​世の​救い主と​なり、​御父の​右に​座し、​支配しておられるのでは​ありません。​これは、​いずれ一生を​過ごし終えた​とき、​私たちを​待っている​運命に​ついての​恐ろしい​知らせです。​心が​悪と​絶望に​凝り固まっている​すべての​人々に、​歴史が​終わりを​告げる​知らせなのです。

​ 神は​いつでも​勝利を​収める​ことができるのですが、​説得の​道を​選ばれます。​「すべての​王よ、​今や​目覚めよ。​地を​治める​者よ、​諭しを​受けよ。​畏れ敬って、​主に​仕え、​おのの​きつつ、​喜び躍れ。​子に​口づけせよ、​主の​憤りを​招き、​道を​失う​ことの​ないように。​主の​怒りは​またたくまに​燃え​上がる」53。​キリストは​主であり、​王であります。​「わたしたちも、​先祖に​与えられた​約束に​ついて、​あなたが​たに​福音を​告げ知らせています。​つまり、​神は​イエスを​復活させて、​わたしたち子孫の​ために​その​約束を​果たしてくださったのです。​それは​詩編の​第二編にも、​『あなたは​わたしの​子、​わたしは​今日あなたを​産んだ』と​書いてあるとおりです。

​ だから、​兄弟たち、​知っていただきたい。​この方に​よる​罪の​赦しが​告げ知らされ、​また、​あなたが​たが​モーセの​律法では​義とされえなかったのに、​信じる​者は​皆、​この方に​よって​義と​されるのです。​それで、​預言者の​書に​言われている​ことが​起こらないように、​警戒しなさい。​『見よ、​侮る​者よ、​驚け。​滅び去れ。​わたしは、​お前たちの​時代に​一つの​事を​行う。​人が​詳しく​説明しても、​お前たちにはとうてい​信じられない​事を』」54。

​ これこそ、​救いの​業、​心の​中に​おける​キリストの​支配、​神の​憐れみの​顕れです。​「いかに​幸いな​ことか、​主を​避けどころと​する​人は​すべて」55。​私たちキリスト信者は、​キリストの​王権を​称揚する​権利を​持っています。​と​いうのは、​悪の​舞台である​人間の​歴史に​おいて、​たとえ不正義が​栄え、​愛に​よる​支配を​望まない​人が​多数いても、​永遠の​救いの​業は​織り上げられていくからです

この点を別の言語で